2015-12-01

ラスターデータセットの再編成 - 高解像度土地利用土地被覆図

広い地域をカバーする地理データセットは、グリッドで分割した多数のファイルで構成されていることが良くあります。その場合のグリッドとしては、標準地域メッシュ(1次~3次)が使用されるケースが多いと思われますが、その他の基準による場合もあります。JAXA(宇宙航空研究開発機構)が公開している高解像度土地利用土地被覆図データもそのひとつで、1度×1度のグリッドタイルで日本全域を分割したGeotiff形式のラスターデータセット(全122ファイル)によって提供されています。
ここでは、このデータセットを1次メッシュ区画(東西方向1度×南北方向40分)単位のファイルで構成されるデータセットに再編成する例を掲げます。
FME 2015.1.3.1 build 15573

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高解像度土地利用土地被覆図ホームページで公開されている「AVNIR-2高解像度土地利用土地被覆図(日本全域, バージョン14.02)」GeoTiff形式データ(1度グリッドタイル単位122ファイル)を、1次メッシュ区画(1度×40分)単位のGeotiff形式ファイルで構成されるデータセットに再編成する。
作成するファイル名は、"LC_****.tif" (****は1次メッシュコード)とする。
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FMEワークスペース例

















[GEOTIFF] リーダー: 元のラスターデータセット(全122ファイル)を読み込む。
JpStdGridAccumulator (FME Store): 全てのラスターをカバーする範囲の1次メッシュ区画ポリゴンを作成する。
Clipper: 元のラスターを1次メッシュ区画ポリゴンでクリップする。
Sorter: 1次メッシュコードでソートする。
RasterMosaicker: 1次メッシュコードごとにモザイク(結合)する。
[GEOTIFF] ライター: 指定したフォルダにモザイク後のラスターデータをGeotiff形式で保存する。

結果: 千葉県の領域をカバーする範囲の FME Data Inspector による表示例
左: オリジナル(1度×1度グリッドタイル, 5ファイル), 右: 再編後(1次メッシュ区画=1度×40分, 6ファイル)
個別のラスターデータの境界を白ラインで示しています。



























JpStdGridAccumulator は、入力フィーチャーのジオメトリをカバーする範囲について、パラメーターで指定された種類(この例では1次メッシュ)のメッシュ区画に分割して各区画を表す矩形ポリゴンを作成するとともに、その属性にメッシュコードを与えます。Clipper によってメッシュ区画ポリゴンでラスターをクリップすることにより、メッシュ区画境界でラスターを分割するとともに、それらにメッシュコードを格納した属性を与えることができます。
分割後のラスターについて、RasterMosaicker によってメッシュコードが等しいグループごとにモザイク(結合)すれば、1次メッシュ区画単位のラスターが作成されます。

Sorter は必須ではありませんが、フィーチャーの順番をメッシュコードによってソートしたうえで、RasterMosaicker の Input is Ordered by Group パラメーターを Yes に設定することにより、処理効率が多少は良くなることが期待されます。

FME 2015.1以降では、ライターフィーチャータイプの出力先フィーチャータイプ名フィールドでも文字列連結式が設定できるようになりました。この例では、"LC_" とメッシュコード属性値を連結することにより、出力先ファイル名を "LC_<メッシュコード>.tif" としました。

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